抄録
アルミナスケール形成オーステナイト系耐熱ステンレス鋼のアルミナスケール形成能におよぼす Cu 濃度の影響を調査するため、Cu 濃度の異なる Fe-Ni-Cr-Al、Ni-Cr-Al、Ni-Al 合金を用いて、初期酸化スケールの形成とその後のアルミナスケールの形成・遷移に及ぼす Cu の影響を in-situ 高温X線回折を用いた構造解析により検討した。Cu 添加合金では、酸化初期に内部アルミナからアルミナスケール形成への遷移挙動が観察された。しかしながら、今回の実験では Fe や Ni、Cr を主体とする遷移酸化物が長時間残存し、連続的な保護性アルミナスケールの形成に至らなかったため、Cu のアルミナスケール形成促進効果について明確な知見を得ることはできなかった。