抄録
自動車用排ガス浄化触媒の課題として、貴金属凝集抑制による性能向上及び貴金属使用量低減が要求されている。現在研究中の新規 Rh 担持法触媒(以下、新規法)は、従来 Rh 担持法触媒(以下、従来法)に対し、Rh 凝集の抑制とより低温からの活性向上効果を見出した。
今回、この要因を探るため、EXAFSによる Rh 状態解析を行った結果、新規法では還元雰囲気下において低温から速やかに Rh-O が Rh-Rh に変化する事が確認された。一方、劣化抑制では、酸化雰囲気中に生成する「Rh-O-Nd」の影響が大きい事が推定された。また、XANESの結果では、従来法の Rh 吸収端に対して高エネルギー側にシフトしていることから、新規担持方法を適応する事で Nd2O3 の再配分が促進され、Rh に対して Nd2O3 の接触頻度が適度に高まり劣化抑制と低温活性が高いレベルで両立したものと推察した。