抄録
時間分解X線発光分光(TRXES)の立ち上げ、さらに将来の時間分解共鳴インパルシブX線散乱(TRRIXS)への発展を目論み、無機化合物水溶液の TRXES を試みた。試料は、シュウ酸鉄錯体(Fe(III)Ox3)である。この錯体に関しては、既にSACLAにおいて時間分解X線吸収分光(TRXAS)に成功している。紫外同期レーザー(268 nm)を用いて、Fe(III)Ox3 の配位子から金属への電荷移動(LMCT)を誘起し、その後の化学反応をリアルタイム追跡することを目的とした。試料はシュウ酸鉄錯体アンモニウム塩の 0.2 M 水溶液で、液体は直径 25 µm の層流である。X線の発光分光には、von Hamos 型の分光器を用いた。