SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section B
アイソタクティックポリプロピレンの高温溶融状態におけるメモリー効果と結晶融解構造に関する研究(Ⅱ)
伊村 宏之山下 友義
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 8 巻 1 号 p. 115-120

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抄録
 アイソタクティックポリプロピレン(iPP)の昇温過程(50℃~200℃)における SAXS/WAXS 同時測定を行い、iPP のα晶の融解過程について詳細に調べた。その結果、結晶融解過程に関しては、昇温に伴うWAXSピークの消失挙動から、iPPのα晶は、DSCの吸熱反応が検出できないレベルの温度領域(174℃~190℃)においても残存していることを明らかにした。
 また、SAXS プロファイルの変化より、昇温に伴うラメラ周期長の増大と、並びに、ドメイン構造の出現が明らかとなり、かつその構造は融点よりやや低い温度領域から 190℃ 付近まで明確に観測されることを示した。
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