抄録
鉄鋼材料の微量なチタン添加は溶接熱影響部の切欠靭性改善に有効である。本研究は、放射光X線による小角散乱法を用いて入熱量を制御した再現熱サイクル試験鋼材中の析出粒子を定量評価することを目的とする。本実験は、産業利用Iビームライン BL19B2 を使用して放射光X線小角−極小角散乱測定を実施した。その結果、低 q 側の Guinier(ギニエ)領域が観察できない散乱プロファイルに対して、Porod(ポロド)則に従い、散乱プロファイルを解析することで、析出粒子の総界面積を定量評価することに成功した。本手法は微視組織解析の一つとして有効的である。