抄録
カンラン岩に含まれる 1 µm 大の白金族元素含有硫化物粒子を、マイクロビームX線回折によって鉱物学的に同定することを試みた。X線 CT による三次元撮像で対象粒子の位置を把握しつつ、硫化物粒子にマイクロビームの焦点をあててX線回折パターンを取得した。しかし、得られた回折ピークは、ホストである単斜輝石に由来するもののみであった。実験後、分析箇所を集束イオンビーム装置で切り出し透過型電子顕微鏡で観察したところ、対象粒子が 100 nm 以下の複数種の硫化鉱物の離溶ラメラで構成されていることが判明した。このことが、対象粒子からの回折線を検出できなかった原因であると考えられる。