抄録
一定期間保管し老化した品種の異なる生米を用いた米飯および配合の異なる冷凍パスタについて、老化による澱粉の再結晶化挙動を SPring-8 のX線回折法により非破壊で評価し、同じ試料の物性測定をテンシプレッサーで行った。それにより、老化による米飯及び冷凍パスタの物性変化と澱粉の再結晶化挙動との相関を検討した。その結果、米飯では品種間で物性の変化の度合いに違いが見られ、この変化が大きいほど澱粉の再結晶化に起因する回折ピークが顕著に現れた。一方、冷凍パスタではいずれの試料でも2ヶ月保管後も大きな物性の変化は認められず、澱粉の再結晶化に起因する回折ピークも顕著には認められなかった。