抄録
回転楕円面状に配置した高結晶性平面グラファイトによるブラッグ反射を利用し、目的とするX線の波長域をバンドパスする蛍光X線分光フィルタを試作した。Pt 試料に 12 keV のX線を照射し、作製した分光フィルタを通した後に SDD (Silicon drift detector)でスペクトルを評価した結果、目的とする Pt Lα1 9.44 keV が、Pt Ll 8.27 keV や Pt Lβ2 11.25 keV と分光でき、検出効率が 1.6 倍に向上した。さらに、蛍光X線分光フィルタと強度検出器を用いて、蛍光法による Pt L3 吸収端でのX線吸収スペクトルの取得に成功した。