抄録
β-Ga2O3 単結晶基板中に存在する結晶欠陥の種類や構造に関する知見を得るため、放射光X線トポグラフィによる測定を実施した。その結果、<010>に平行なバーガースベクトルを有する転位もしくは積層欠陥が測定領域全体に高密度に存在していることが分かった。これらの結晶欠陥はさらに、バーガースベクトルの大きさの異なる2種に分類されるものと考えられる。これらに加えて、回折ベクトル g = 4‾06、8‾24 のいずれにも垂直でないバーガースベクトルを有する2種類の結晶欠陥が存在することが分かった。これらの結晶欠陥は前述のものよりも密度が低く、測定領域内に不均一な密度で存在していた。