抄録
有機フレキシブルデバイスの社会実装に向けて、有機半導体薄膜を汎用ポリマー基板上へ溶液から結晶性良く成膜する技術の確立が望まれる。本研究では、市販の二軸延伸ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム上にペンタセン誘導体結晶薄膜を溶液成長させ、その結晶状態を偏光顕微鏡観察、微小角入射X線回折および面外X線回折測定により調査した。その結果、ペンタセン誘導体結晶の成長方向は PET 分子鎖の配向に依存しないことが確認された。また、PET フィルムに対する UV オゾン処理がペンタセン誘導体薄膜の結晶性を向上させることを明らかにした。