抄録
本研究に用いた滅菌バッグは,片側滅菌紙,片側フィルムで構成されており,開口部の封入はヒートシーラーによって接合されることが多い.
はく離強度の弱いシールは,滅菌時や搬送時に破袋して,滅菌後の無菌性を破壊してしまう致命的な欠点となるが,シール強度が強すぎると開封時に滅菌紙の破れやフィルム裂けが起こることもある.シーラーによって得られるシール強度とは,シール時の温度,圧力,などの条件によって決まる機械的強度である.
そこで,本研究では,滅菌バッグの,熱接合部の力学的特性に及ぼす,接合温度と接合圧力の影響について検討したところ,接合温度To=190℃,接合圧力0.52MPa が最適であると考えられた.