背景:FTO遺伝子SNP型と肥満との関連を年齢別に検討した研究は1件しか見あたらなかったため、本研究では、親世代のSNP型別の肥満率を、子のSNP型とその親の肥満の有無から推定する方法を試案した。
方法:大学生103人を対象としてSNP型を調べ、親の肥満を質問した。調査結果を基に、子のSNP型ごとに、①親のSNP型の出現確率を推定し、②親が肥満である頻度を算出する。また、先行研究を基にして、③risk allele homoの親が肥満になる確率をx、他の2つのSNP型をまとめて「それ以外」の親が肥満になる確率をyとおく2元連立1次方程式を立てる。
結果:方程式の解より、対象者(20-23歳)の親世代(50代が主)におけるSNP型別の肥満率の推定値を算出した。
結論:親のSNP型を実際に調べなくても、親子2代それぞれのSNP型別の肥満率を推定でき、SNP型別肥満率の年代差を考察しうることが示唆された。