保健医療福祉科学
Online ISSN : 2434-5393
Print ISSN : 2186-750X
研究報告
子のFTO遺伝子(rs1558902、rs1121980)SNP型から確率計算により、親世代におけるSNP型別肥満率を推定する試案
吉永 亜子小川 俊夫田野 ルミ濱口 豊太行正 信康
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 8 巻 p. 32-39

詳細
抄録

背景FTO遺伝子SNP型と肥満との関連を年齢別に検討した研究は1件しか見あたらなかったため、本研究では、親世代のSNP型別の肥満率を、子のSNP型とその親の肥満の有無から推定する方法を試案した。

方法:大学生103人を対象としてSNP型を調べ、親の肥満を質問した。調査結果を基に、子のSNP型ごとに、①親のSNP型の出現確率を推定し、②親が肥満である頻度を算出する。また、先行研究を基にして、③risk allele homoの親が肥満になる確率をx、他の2つのSNP型をまとめて「それ以外」の親が肥満になる確率をyとおく2元連立1次方程式を立てる。

結果:方程式の解より、対象者(20-23歳)の親世代(50代が主)におけるSNP型別の肥満率の推定値を算出した。

結論:親のSNP型を実際に調べなくても、親子2代それぞれのSNP型別の肥満率を推定でき、SNP型別肥満率の年代差を考察しうることが示唆された。

著者関連情報
© 2019 埼玉県立大学保健医療福祉科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top