保健医療福祉科学
Online ISSN : 2434-5393
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学生による災害福祉支援活動の展開と今後の課題
新井 利民
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2019 年 8 巻 p. 61-67

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抄録

 近年自然災害が多発する中で、被災地での様々な支援活動、とりわけ学生によるボランティアによる災害福祉支援活動は大きな力となっている。本報告では、埼玉県立大学の学生活動をコーディネートした経験を振り返り、今後の学生による災害福祉支援活動に向けた課題について検討した。「東日本大震災」「平成28年熊本地震」「平成30年7月豪雨」において、メールや学生サークルへの打診に様々な学科の学生が呼応し、避難者の生活支援活動や災害ボランティアセンターの運営支援活動を担った。これらを通じ、被災者及び被災地職員への支援に貢献したとともに、多くの学生は様々なことを学びとっている様子がうかがえた。これらを踏まえ、学生による支援活動を今後も行うには、学内における共通基盤の確立、活動先・滞在先・活動資金の検討や確保、活動上のリスクの予想と対応、次の災害のために経験を学びに変革することなどが必要であることを指摘した。

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© 2019 埼玉県立大学保健医療福祉科学学会
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