2025 年 16 巻 1 号 p. 16_37-16_42
【目的】体幹または骨盤の回旋位保持における膝関節回旋の特徴を明らかにする。【方法】健常成人女性9名18膝を対象に,三次元動作解析にて体幹あるいは骨盤を回旋位保持した際の膝関節回旋(水平面上の大腿骨と脛骨がなす角度)を測定した。基本姿勢は体幹正中位,両側膝関節30°屈曲位とし,足幅は身長の10%と20%の2条件とした。回旋条件は全例左回旋とし,体幹10°,20°,骨盤10°,20°回旋の4条件とした。基本姿勢からの姿勢条件(足幅×回旋条件)の変化量について左右の膝関節でそれぞれ二元配置分散分析を実施した。【結果】左右膝共に回旋条件による有意な主効果を認め,下位検定にて,体幹回旋より骨盤回旋の方が有意に大きな膝関節回旋がみられた。【結論】体幹または骨盤の回旋位保持における膝関節回旋の変化量は,体幹回旋よりも骨盤回旋の方が大きく,骨盤左回旋は右膝関節を外旋に,左膝関節を内旋方向に変化を示した。