社会情報学
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日本における統計データの二次的利用について(<特集>社会情報学からの発信)
廣松 毅
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2012 年 1 巻 1 号 p. 33-45

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抄録
この論説では,日本における統計データの二次的利用について解説する。統計データの二次的利用とは,平成19年5月に全面改正され,平成21年4月から全面施行された統計法において,統計データの一層の利活用を目的として,新たにオーダーメード集計や匿名データの作成・提供などを可能とするためにできた制度である。一般に統計データの利用というと,公表されたデータのみに留まっており,ここでいう二次的利用という利用の仕方があるということはほとんど知られていない。もっとも,この制度は創設されてまだ3年強しか経っていない新しいものであるため,現状は広く潜在的な利用者にその存在を周知する段階にあるとも言える。そこで,この論説では,日本における統計データの二次的利用の検討経緯,概要,現状,そして今後より一層推進していくための取組についてまとめて,紹介することにしたい。この新たな統計データの利用形態の紹介が社会情報学分野の専門家,またこの分野を目指そうとしている若手の研究者の方々に少しでもお役に立てれば,幸いである。
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© 2012 一般社団法人 社会情報学会
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