コロナ禍における大学生を対象に,Twitter, Instagram等の利用がいかに精神的健康と関連するかについて,量的・質的アプローチから,学年ごとの違いにも注目して検討した。精神的健康の指標として,幸福感と孤独感を扱った。2022年8月~9月に実施したウェブ調査に回答した大学生408名の量的データを分析した結果,2年生では,Twitterで大学での友人とつながりを持つことが高い幸福感と低い孤独感に結びつき,またInstagramで投稿することが,低い孤独感に結びついていた。3年生では,Twitterで投稿,閲覧をすることが低い幸福感に結びついていた。ウェブ調査に回答した大学生のうち23名を対象に,2022年10月~2023年2月に半構造化インタビューを行った結果,学年に関わらず,現実での対人関係を補強する形でTwitterを利用する者は,高い幸福感と低い孤独感という適応的な精神的健康のパターンを示していた。また,オンラインの友人とのみコミュニケーションを取る者は精神的健康状態が適応的ではない傾向が見られたが,合わない意見を避けるという自己防衛により,少なくとも調査当時の精神的健康を保つ者も見られた。更に,社会的スキルが低い高学年では,SNSで無理にネットワークを広げず少数の友人と付き合う者が,少なくとも調査当時の精神的健康状態は適応的であった。ただしそうした者たちも1,2年次にはTwitterでネットワークを広げようと試みていたという語りが見られた。本研究の結果から,コロナ禍を経験した1,2年生には,SNSをきっかけとした,現実の友人を増やすような機会作りが,現実での人間関係を補強し精神的健康に結びつくことが示唆された。