抄録
DX 白書2023 はサブタイトルを「進み始めた「デジタル」,進まない「トランスフォーメーション」としており,日本のDX 推進の現状を示している.「トランスフォーメーション」推進に必要となるのがデジタルプラットフォームであるが,DX への取り組みが「デジタルオプティマイゼーション」にとどまり「デジタルトランスフォーメーション」にまで至らない原因の一つとして,デジタルプラットフォームがうまく整備されていないのではないかと考え,この仮説を検証することとした.
本レポートでは,日本のDX 取組の現状をDX 白書2023 で確認後,まずDX の教科書とでもいえる存在であるDesigned for Digital をベースに,デジタルプラットフォームの要件を整理し,その後,日本で紹介されている事例(DX基盤と呼ばれることもある)をチェックし,デジタルプラットフォーム整備における課題を明らかにする.