2016 年 1 巻 p. 74-79
SSPSの経済的成立性を左右する要因の一つは輸送コストである.本論文では,部分再使用打ち上げロケット(GLV)と電気推進を用いた完全再使用軌道往還機(OTV)によりSSPSを輸送するシナリオに基づいてそのコスト計算を行う.現状の技術レベルとその延長で実現可能なSSPSの輸送コストは,10000 tonのSSPSを10年で構築するのに約1.27兆円であり,アルゴンを推進剤とした比推力2660 sの電気推進で実現される.一方,GLVのみでは44%高いコストとなった.感度解析を行うことでSSPSの輸送コストにインパクトを与えるパラメータを抽出し,SSPSの輸送コストを3000億円にするのに必要な技術革新として,GLVおよびOTVの初期製造コストを75%削減することが必要であることが明らかとなった.