2021 年 6 巻 p. 47-50
太陽発電衛星(SPS)は,宇宙空間で太陽光発電により発電を行い,マイクロ波ビームにより地上へエネルギーを送ることを目的とした現在構想段階の衛星である.SPSの実現に向けた課題の1つとして,SPSのパネル表裏面の温度差による熱変形があり,パネル間の平坦度維持が求められる.上記の課題に対して,我々はカーボンナノチューブアクチュエータ(CNA)によるパネル間の平坦度の補正を検討している.CNAは,カーボンナノチューブを主材とした高分子アクチュエータであり,電気的特性に優れ将来の宇宙応用が期待できる.本論文では,CNAのSPS応用に向けた基礎研究に関する報告を行う.