抄録
カーボンニュートラルの実現に向けた燃料電池自動車の普及には燃料電池セルのさらなる性能向上が不可欠である。セル構成要素のポリマー電解質に求められるプロトン伝導性と剛性の両立には内部構造解析に基づく材料設計が不可欠となる。本研究では小角X線散乱およびX線タイコグラフィによるポリマー電解質膜の内部構造観察を行い、プロトン伝導ポリマーの水クラスター構造および多孔質ポリマーのポーラス構造解析を実施した。小角X線散乱では複合膜におけるプロトン伝導ポリマーの含水量の違いを示唆する水ナノクラスター間距離の減少が確認された。またX線タイコグラフィにより多孔質ポリマーが形成するミクロポーラスの3次元観察に成功した。