科学・技術研究
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原著
養殖魚におけるセレンおよび水銀の挙動-VII
餌止めによる水銀およびセレン分布に及ぼす影響
甲斐 徳久高橋 幸則田上 保博田中 竜介福島 英登前田 俊道福田 裕永井 毅
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2012 年 1 巻 2 号 p. 103-105

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抄録
一般に、養殖場では、魚価の上昇をねらっての品質向上、鮮度アップを目途として、出荷前に成魚の餌止めが実施されている。本研究では、餌止めにより魚体内で起こる種々の微量成分の代謝・分布変動を明確にするため、マルアジを試料魚として、最大33日間の餌止め(蓄養)を実施し、筋肉中の水銀とセレンの分布変動を観察した。その結果、両元素レベル(特にセレンについては、低酸化状態セレン)は経日的に減少する体重とともに、減少する傾向を示した。また、この間の両元素レベル間に強い正の相関(ro = 0.99)が認められた。以上得られた知見から、餌止めの実施は、加えて水銀等の重金属の排出を助長していることが明らかとなった。
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