抄録
有機トランジスタ用の有機半導体は数多く合成されている。キャリア移動度を測定するには実際に有機トランジスタを作製しなければならない。しかしながら模擬デバイスを使った評価ではその作成に大掛かりな装置が必要であり、また時間もかかり、評価コストが大きい。さらにサンプルとして模擬デバイス作成に必要な分量が多く微量評価ができなく、合成された有機半導体の移動度を微量かつ簡便・迅速に評価する方法が見当たらない。本研究ではコンダクトメトリーにより有機化合物の溶液の導電率が有機半導体の評価に使えるかどうか調べることを目的とする。結論として有機化合物半導体の特性は、有機化合物の溶液の導電率を測定することにより、微量の試料を迅速かつ容易に評価することが可能である。有機化合物の溶液の導電率は、分子の実際の半導体特性に関連している。スタッキングの感度は、デバイスの移動度および有機化合物の溶液の導電率と比較して評価することができる。