抄録
極性有機溶媒-塩または糖系の水性二相抽出は、低コスト、高操作性、環境適合性などの点で他のタンパク質分離法に比べて有利である。しかし、どのような条件でどのような性質の二相を形成するかという基本的な研究データがまだ不足している。本研究では、曇点法によってこの系の二相形成挙動を調べ、相図を作成した。曇点法の結果は、以前に報告した成分分析法の結果とよく一致した。塩の種類を変えたときの水性二相の形成しやすさの順序はホフマイスター系列とほぼ一致したが、リン酸二水素イオンは例外であり、必ずしもホフマイスター系列だけでは説明できないことが示された。極性アルコールの疎水性が高いほど、水性二相を形成しやすいことが示された。また、糖系は塩系よりも水性二相を形成しにくく、塩と糖の混合系では、糖の比率が高くなるほど水性二相形成が困難になることが明らかになった。