抄録
理工系の大学生を対象にした科学実験で使うことができるマンガン乾電池の教材(キット)を開発し、2012年度と2013年度の実験で試用した。いずれの年度も100名ほどの学生が40個ほどの電池を製作したが、開路電圧の測定や解体検査などの結果から、セパレータを破損した電池や破損が疑われる電池が2013年度に製作したものの中に数個あることが分かった。また、これらの電池の開路電圧が通常の値(1.7 V)より低いことが分かった。そこで、セパレータの材質と電池の組立工程に着目し、破損低減の可能性を検討した。ここでは、従来の定性分析用の濾紙を市販のコーヒーフィルターに変更するとともに、正極合剤を電池に充填する工程を先行し、炭素棒を合剤に圧入する方法を採用した。学生による2014年度の実験では、新規なセパレータを使った電池の大半が適正な高い開路電圧を示した。また、電池の解体検査の結果、新規なセパレータが破損に強いことが分かった。