科学・技術研究
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Print ISSN : 2186-4942
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原著
 
Yoshihiro NojiriTakeshi HaraRyunosuke BabaTomoki YoshidaMiko YoshiokaHaruki Sanematsu
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2015 年 4 巻 2 号 p. 155-158

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抄録
この論文で、我々は電解質に塩酸を加えた電池をそれぞれ制作した。塩酸を加えた試料は市販の電池よりも高い開回路電圧を示し、理論起電力よりもさらに高かった。また電流密度は市販電池よりも0.02 A/cm2高かった。HClによる反応生成物の除去とpHの低下は酸化還元反応に有利になるだろう。アノードZn板のX線回折の結果、板上には主にZnCl2?4Zn(OH)2?H2Oが観察された。一方、HClを加えた試料は一種類のZnOとZn(OH)2を示した。この結果はZnCl2?4Zn(OH)2?H2OがHClに容易に溶解することで説明できる。これらの結果はHClの添加によって通常の酸化還元反応と同時に別の反応が生じていることを示している。加えて、標準電極電位が電解質のpHによって変化する。それはネルンストの式によって容易に理解でき、pHの減少が開回路電圧と電流密度の上昇をもたらす。この論文で、我々は高性能マンガン乾電池の可能性を示す。
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