科学・技術研究
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原著
LiSB系のACインピーダンス応答
2段分布定数回路による解析関数の導出
仁科 辰夫 伊藤 智博立花 和宏
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 8 巻 2 号 p. 119-122

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抄録

リチウムイオン二次電池(LiSB)は電気自動車用電源として最有力であるが、その寿命評価やバッテリーマネージメントシステム(BMS)では、電池残容量や容量劣化の程度を知るために、電池の過電圧成分の分析が行われる。この目的でLiSBのACインピーダンス特性(EIS)の測定と解析が広く一般的に行われているが、実測されたインピーダンスの周波数特性を定位相要素(CPE)等を用いて合わせこむことに終始し、妥当な電池モデルに基づく理論的解析を行っているものは皆無である。我々は電流遮断時における過電圧過渡応答を解析するためのモデルとして2段分布定数回路を提案し、その基礎方程式の導出、ならびに解析関数FDTMLの導出に成功した。また、これを実電池の過渡応答解析に適用し、正極側と負極側の2つの時定数系のみで1 mV以内の精度でフィッティングできることを明らかにした。そこで、この2段分布定数回路をモデルとしたACインピーダンス応答の解析解の導出を行い、実電池のインピーダンス応答の基本的特性について検討した。

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