2025 年 23 巻 p. 7-26
本報告は沖縄の建設業から、特にそこで働く男性たちの社会関係、身体、感覚にもとづいて、日本型雇用システムの欺瞞を暴くことを目的とする。ここで欺瞞を暴くとは、沖縄の建設業で働く労働者に日本型雇用システムによる恩恵など届かなかったこと、また沖縄の建設業からみると日本型雇用システムが優遇されたことで成立したこと、つまりそれは不公平な「出来レース」であったことを明らかにする。沖縄の建設業で働く男性たちは、厳しい上下関係を形成し、閉鎖的な空間感覚/現在志向の時間感覚、そしてパシリとして生きる身体感覚を身に付ける。それらはなんらかの指導や支援が行き届かない結果として表れるものではない。そうではなく、彼らが沖縄の建設業を生き抜く過程で積極的に身に着けたものであり、同時に身に着けざるをえない彼らの戦い方である。彼らが身につけた戦い方を読み解きながら、沖縄の建設業が経験した「戦後」、そして日本型雇用システムの欺瞞について明らかにする。