Stars and Galaxies
Online ISSN : 2434-270X
京都大学飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡を用いたエラーマンボムの高度詳細解析
市川 椋大 野澤 恵
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 6 巻 p. 3-

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抄録
エラーマンボムは彩層底部で起こる小規模爆発現象であり、Hα線中心では吸収、ウィング部では顕著 な増光が見られる特徴的なスペクトルプロファイルを示す。発生メカニズムは磁気リコネクションと考え られているが、その詳細は未だに未解明のままである。そこで、エラーマンボムのスペクトル特性から立 体的な構造の時間変動を解明することが本研究の狙いである。2022年10月に京都大学付属飛騨天文台の水 平分光器を用いて、Hα線とCa II K線で観測した活動領域NOAA13124とNOAA13135の黒点近傍で発生し たエラーマンボムを分光観測し、各波長から速度・温度・明るさの物理量の時間変動を求めた。結果、Hα 線では彩層下部で磁気リコネクションが発生し、それによる双方向流を観測した。また、ウィング部の速 度と明るさに関して、明るさが増加したタイミングで速度が上昇するような相関が確認できた。Ca II K線 では彩層中部以下で磁気リコネクションが発生したと考えられ、K2コンポーネントに関してはHα線ウィ ング部と同様に速度と明るさに相関が確認できた。
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© 2023 兵庫県立大学自然・環境科学研究所天文科学センター
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