聖マリアンナ医科大学雑誌
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雑報
ロボトミーの歴史(6):映画にみるロボトミー
田中 雄一郎
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2023 年 50 巻 4 号 p. 215-217

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抄録

大衆は映画を通じてロボトミーを知ることが多い。ロボトミー(精神外科手術)にはいくつもの術式がある。映画にもそれら異なる術式が登場する。『猿の惑星』ではブルクハルトのトペクトミー(ロベクトミー),『カッコーの巣の上で』ではフリーマンの標準式ロボトミーが登場する。フリーマンの経眼窩ロボトミーは他のロボトミーに比べてビジュアル的な訴求力が強いことから映画の重要な場面として繰り返し採用された。代表的な映画を年代順に並べると,『女優フランシス』(原題 Frances,1982年,米国),『未来世紀ブラジル』(Brazil,1985年,米国),『アサイラム 狂気の密室病棟』(Asylum,2008年,米国),『シャッターアイランド』(Shutter Island,2010年,米国),『エンジェル ウォーズ』(Sucker Punch,2011年,米国),『グレイヴ・エンカウターズ』(Grave encounters,2011年,カナダ),『パラノーマルエクスペリエンス』(Paranormal experiences,2011年,スペイン),『The mountain』(本邦未公開,2018年,米国)などがある。ロボトミーの一術式に過ぎない経眼窩(アイスピック)ロボトミーが,映画の世界では主役として圧倒的な存在感を誇る。

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