聖マリアンナ医科大学雑誌
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雑報
新型コロナウイルス感染症に対する栄養部の取り組み
柴田 みち 伊藤 彩香
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2024 年 51 巻 Suppl 号 p. S153-S157

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抄録

聖マリアンナ医科大学病院で,2020年2月に新型コロナウイルス感染症(以下コロナ感染症)患者を受け入れて以来,栄養部では,院内での対応方針に従い,入院患者の食事提供や栄養管理業務に関して,感染予防対策を行いながら業務を遂行してきた。個人の感染予防対策を行うことを基本とし,労務環境については,蜜を避け,換気を心掛け,食事中の会話を禁止した。コロナ感染症患者の食器については,2020年4月より2023年1月までの間,ディスポ食器で提供した。配膳,下膳,食器洗浄などの各業務においても,感染予防対策の実施を担当者に指示した。栄養食事指導や病棟訪問においては,患者と近距離で会話するため,感染予防対策の遵守を徹底した。コロナ感染症患者は,重篤な呼吸器障害を併発し,集中治療室で長期に治療が必要となるケースが多く,治療経過において低栄養に陥りやすいため,適切な栄養管理を行うことが重要である。医師や他職種より食事が進まないための介入依頼があった際は,その原因としては発熱や呼吸苦等の症状や味覚障害などが考えられ,経口的栄養補助(以下ONS)を追加することが多かった。ONSは飲料や半固形,経口経腸栄養剤などを適宜選択して摂取栄養量の増加をはかるようにした。ウイズコロナ時代も感染症予防対策を緩めることなく,他職種と協働しながら,適切な患者給食業務および治療効果が上がる栄養管理業務を遂行していく。

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© 2024 聖マリアンナ医科大学医学会
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