聖マリアンナ医科大学雑誌
Online ISSN : 2189-0285
Print ISSN : 0387-2289
ISSN-L : 0387-2289
雑報
新型コロナウイルスに対する本学附属病院臨床検査センターの対応
赤津 哲
著者情報
キーワード: PCR
ジャーナル フリー

2024 年 51 巻 Suppl 号 p. S81-S83

詳細
抄録

当院における新型コロナウイルスに対する取組みは,2020年2月,ダイヤモンド・プリンセス号(DP号)で新型コロナウイルスの集団感染が発生した際,それらの感染患者受け入れに始まり,その後,幾度となく発生した感染の波を病院の全職種のスタッフが一丸となって乗り越えてきた。そうした中で臨床検査センターが行ってきた新型コロナウイルス感染症への対応について振り返ってみた。臨床検査センターでは,当院でのDP号の感染患者受け入れから二か月後の2020年4月から細菌検査室で遺伝子検査のLAMP法を開始し,各検査室から応援要員も加わり臨床検査センター全体で対応を開始した。そして2021年2月にLAMP法から感度・特異度ともに優れた大型測定器のBDマックスによるPCR検査に変更した。さらに生化学検査室では同時期にHISCLによる抗原定性検査を開始した。一方,緊急検査室では2020年5月からイムノクロマト法による抗原定性検査,7月からはFilm ArrayによるPCR検査を開始した。また,12月からはルミパルスによる抗原定量検査を開始し,2021年の10月にGeneXpert,2022年8月にID NOW,2022年12月にはコバスLiatを導入し,それぞれの検査を開始した。こうして,新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に移行されるまでに,臨床検査センターでは約83,000検体以上の測定を行ってきた。

著者関連情報
© 2024 聖マリアンナ医科大学医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top