本研究は,精神科救急入院料算定病棟(スーパー救急病棟)を有さない大学病院精神科における措置入院患者の臨床的特徴と転帰を明らかにすることを目指し,2010年4月から2020年3月までの10年間に当院神経精神科病棟に入院した措置入院患者22例(全入院患者4133例の0.53%)を後方視的に調査した。その結果,患者の59.1%が統合失調症圏で,他害のおそれを伴う症例が59%を占め,63.6%が後方移送,59.1%が身体合併症(主に内分泌疾患)加療目的であった。措置解除までの期間は中央値30日で,最終転帰として54.5%が転院,45.5%が自宅退院となった。後方/側方移送の有無,身体合併症の有無,複数回措置入院の有無と転帰との間に有意な関連は認められず,当院では後方移送による身体合併症を有する統合失調症圏の患者が多く,約4割が自宅退院可能であったものの,転帰に影響を与える明確な要因は特定できなかった。