口腔・咽頭科
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原 著
オスラー病の口腔病変にどう対処するか?
市村 恵一菊池 恒今吉 正一郎
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2013 年 26 巻 1 号 p. 85-88

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抄録

オスラー病は難治性鼻出血の原因として有名であるが, 鼻腔病変に次いで多いのが口腔病変で, その出現率は58-79%とされる. 自治医科大学附属病院で経験した53例のオスラー病患者 (鼻出血に対する手術施行例) では, 口腔病変は記載の確認できた37例中33例と少なくないが, 口腔出血の訴えがあったものは9例しかなく, 隆起性病変か著しい拡張病変に限られていた. 血管拡張病変からの出血には重症例はなく, 鼻出血に比して口腔出血の日常生活への支障度は低かった. 対応として, レーザーやコブレーターによる焼灼も行ったが, 制御しにくい例は隆起病変の形を取っているので, その切除縫縮で対応するのが有効であった.

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© 2013 日本口腔・咽頭科学会
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