背景:咽喉頭異常感症や咽頭異物で,咽喉頭を観察して異常所見がなく,診断に苦慮することは少なくない.そのような症例に通常の耳鼻科用鼻咽喉電子内視鏡を用いて食道内腔を観察し有効であった.
方法:鼻咽喉電子内視鏡検査後に内視鏡先端を食道内に挿入する.唾液や少量の水を嚥下させて食道内腔が拡がっている間に食道内を観察した.
結果:食道癌,食道異物,ステーキハウス症候群などが観察できた.
考察:本法は簡便な方法ではあるが,異常所見を認めた際には即座に診断がつき,有効な検査である.しかし鼻咽喉電子内視鏡を用いた食道内の観察は,その範囲,精度に限界があるため,異常所見を認めなかった際の評価や判断には慎重になるべきである.
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