2016 年 29 巻 1 号 p. 9-17
扁桃周囲膿瘍, 深頸部膿瘍ともに致死性を有する疾患で耳鼻咽喉科医として理解しておかなければならない疾患である.
疾患の理解のためには浅頸筋膜, 深頸筋膜浅葉・中葉・深葉からなる筋膜と舌骨上と下に区分される間隙についての解剖を理解する必要がある. 傍咽頭間隙が深頸部の中心的な間隙であり, 縦隔と連続する間隙が臨床的に重要である.
扁桃周囲膿瘍, 咽後膿瘍, 傍咽頭間隙膿瘍, 顎下間隙膿瘍のいずれも治療の際に外科的治療,気道確保を念頭におかなければならない.