口腔・咽頭科
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原著
質的および量的味覚異常の比較検討
西井 智子任 智美梅本 匡則前田 英美阪上 雅史
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2018 年 31 巻 1 号 p. 131-135

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抄録
亜鉛欠乏性・特発性味覚障害435例を対象に,質的異常と量的異常に分類して年齢,味覚機能,血清亜鉛値,心理テスト,改善率,治療法について比較検討を行った.質的異常例は量的異常例と比較すると,年齢層が有意に高く,血清亜鉛値が正常範囲の例が多かった.味覚検査では味質の認知性が保たれる例が多く,亜鉛補充療法の効果がみられない例が有意に多かった.亜鉛欠乏の関与が低いと考えられた例では,漢方薬や抗不安薬が有効な例もあり,特に質的異常例で多くみられた.質的異常と量的異常では病態が異なる場合があるため,症状別に特徴を把握する必要があると考える.
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© 2018 日本口腔・咽頭科学会
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