抄録
自然免疫と獲得免疫により構成される免疫機構は,その不安定性に起因して自然免疫が環境により変化することに基づき,生活習慣により変動すると考えられる.細菌成分が免疫を含む生体反応に影響を及ぼす分子機構の研究が進められており,また交感神経による支配が免疫の日内変動の基盤となっていることが示されてきている.一方で,ヒトNK細胞の活性が運動により変化することはopen window theoryとして古くから知られているが,その分子基盤は明らかにされておらず,加えて,プロバイオティクスを代表とする食品等が免疫に影響を与える分子機構の解明が望まれる.