口腔・咽頭科
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11歳小児の舌扁平上皮癌の1例
中島 逸男谷垣内 由之吉田 博一中村 昭彦馬場 廣太郎
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キーワード: 小児, 舌扁平上皮癌, 治療法
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2001 年 13 巻 2 号 p. 195-201

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抄録

11歳の男児が耳痛を主訴に近医を受診した.局所治療を受けたが症状が軽快しないめ他院を受診した.そこで舌の腫瘤を発見され, 精査・加療目的に当科を紹介された.病変は右舌縁から口腔底にかけ表面不整な潰瘍を呈し, 周囲の硬結は舌正中を越えていた.生検にて高分化の扁平上皮癌と診断された.画像診断も含めた全身検索の結果, 入院時病期分類はT4N0M0 stage IVと診断された.化学療法 (5-Fiuorouracil, Cisplatin) 2クール施行したところ腫瘍はわずかに反応を示し, 縮小するかと思われた.しかし, その後の放射線外照射中にも腫瘍は増大し両側の扁桃窩まで広がりをみせ, 3回の動注化学療法も効果なく, 初診から10ヵ月後に死亡した.

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