2001 年 13 巻 3 号 p. 319-325
口腔咽頭の炎症性病変の生検組織からEpstein-Barrウイルス (EBV) を検出した急性扁桃炎8例・口腔咽頭炎4例の臨床所見について検討した.血清EBV関連抗体価から, 扁桃炎症例の3例がEBV初感染で他の5例は非初感染, 口腔咽頭炎症例は全例非初感染で2例はEBV再活性化が示唆された.扁桃炎例の口腔咽頭所見はEBV初感染・非初感染に関わらずほぼ共通し白苔病変が特徴的であった.口腔咽頭炎例では口腔咽頭に点在するびらんやアフタなどの有痛性の粘膜病変を認めた.症状および経過は, 扁桃炎では入院を要するほどの重症例が多く, 口腔咽頭炎例には難治例や再発例がみられた.