口腔・咽頭科
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IgA腎症に対する扁桃摘出術の適応基準
赤木 博文西崎 和則
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2005 年 17 巻 2 号 p. 197-204

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抄録

IgA腎症は, 腎糸球体にIgAを主体とした沈着物を認める慢性糸球体腎炎である.扁桃摘出術が腎生存率を向上させるという多くのエビデンスが蓄積されている.IgA腎症の重症度分類は, 腎病理組織所見から行うのがよいと考える.扁桃摘出術の適応は, 腎生検によってIgA腎症を確定診断し, 重症度分類 (腎病理組織障害度) で予後比較的不良群までのI, II, III群, および血清クレアチニン値2.0mg/dl以下とし, 病巣扁桃の診断を行うために, 病歴, 扁桃局所所見, 扁桃誘発試験結果を参考とするのがよいと考える.治療効果の判定は腎機能, 尿所見から行い, 5年以上の観察期間が望ましいと考える.

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© 日本口腔・咽頭科学会
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