口腔・咽頭科
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IgA腎症における扁桃局所病巣性の診断
赤木 博文西崎 和則
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2006 年 18 巻 2 号 p. 237-243

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抄録

IgA腎症の扁桃摘出術適応基準を作成する目的で, まず病巣扁桃診断のために, 病歴, 扁桃局所所見, 扁桃誘発試験の3項目を取り上げ, 次に扁摘効果が得られる基準 (値) 設定のために, 腎病理組織障害度 (重症度), 腎機能の2項目を取り上げて検討を行った.
腎病理組織障害度と腎機能は, 適応基準 (案) では必須項目とすることができた.病巣扁桃診断のための項目は, 重要度が一様ではなく, またIgA腎症がある程度以上進行すると, 扁桃以外の因子の関与が加わって腎症が増悪していくために, 扁摘後の長期予後とは必ずしも相関しなかった.したがって, 病歴, 扁桃局所所見, 扁桃誘発試験は, 適応基準 (案) では参考項目とせざるをえなかった.

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