2006 年 18 巻 3 号 p. 393-400
当科のUPPPの手技について報告し, その手技を施行した35例につき効果を検討した. 手技的には口蓋扁桃摘出後の扁桃床はマットレス縫合を行なうことで糸が外れづらくすることが可能であった. また, 口蓋垂基部頭側の軟口蓋粘膜を1部切除して創部を作成し, 同部もマットレス縫合を施すことにより口蓋垂や軟口蓋が口腔側を向く形成が行なえた. 口腔内にできる創部は連続性がなく分断化されており, 瘢痕拘縮のない咽頭形態を保つことができた. MRIによる術前部位診断では扁桃型では80%以上の改善率を認め, 舌の落ち込みを伴うタイプでは31%と低い改善率だった. UPPPは術式だけの問題でなく, 術前診断による適応も明確にする必要があると考えられた.