口腔・咽頭科
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咽後膿瘍が疑われた石灰沈着性長頸筋炎症例
中嶋 大介福井 潤清水 猛史
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2007 年 19 巻 3 号 p. 309-315

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抄録

石灰沈着性長頚筋炎は急激に発症する頸部痛や嚥下痛, 頸部の可動域制限を特徴とする比較的稀な疾患であり, 長頚筋腱に生じた石灰化が吸収される際に生じる炎症反応によるものと推測されている. これらの症状は咽後膿瘍と類似しており, 画像検査でも咽頭後部に軟部組織陰影の拡大が認められる. 診断にあたっては両者の鑑別が重要であるが, 本疾患ではX線やCTにおける頸椎前方の石灰化が確定診断に極めて有用である. 今回我々は, 当初咽後膿瘍が疑われた石灰沈着性長頚筋炎の症例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する.

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