2008 年 20 巻 2 号 p. 207-209
嚥下障害の治療は多職種のチーム医療により成り立つが, その中で耳鼻咽喉科医は中心的な役割を果たすことが求められている. 嚥下障害の評価には嚥下内視鏡検査が非常に有用であるが, この検査は耳鼻咽喉科医が通常行っている内視鏡検査の延長として施行することができ, また他の診療科の医師にはできない嚥下機能評価法である. さらに, 耳鼻咽喉科医は嚥下機能改善手術や誤嚥防止術など嚥下障害に対する外科的治療手段を有している唯一の診療科でもある. 他の診療科や言語聴覚士などのコメディカルとの連携をとりながら, 耳鼻咽喉科の専門性を発揮し, 他科からの要望に応えていくことが必要である.