口腔・咽頭科
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扁桃炎の臨床細菌学
岸本 厚酒井 正喜森 淳西村 忠郎
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1995 年 7 巻 3 号 p. 265-272

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抄録

細菌性扁桃炎と扁桃周囲膿瘍の現況につき報告した.急性扁桃炎患者と健常者の細菌叢を比較し主な起炎菌をS.pyogenes, H.influenzae, S.aureusと決定した.年次, 地域別による急性扁桃炎の検出菌を検討した.S.pyogenesは最も多く検出されたが年次, 地域により変動を認めた.S.pyogenesの薬剤感受性は良好であったが, H.influenzae, S.aureusはβ-ラクタマーゼ産生株の増加によりABPCの耐性化が進行していた.扁桃周囲膿瘍の検出菌を検討した.咽頭痛発現から細菌検査施行までの期間が早期な症例にS.pyogenesが多く検出され, 嫌気性菌は1週間以上の症例に多かった.

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© 日本口腔・咽頭科学会
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