口腔・咽頭科
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IgA腎症に対する扁摘効果と予後予測因子
赤木 博文小坂 道也福島 邦博土井 彰笹木 牧小川 晃弘西崎 和則増田 游松田 充浩四方 賢一槇野 博史清水 順子杉山 信義
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1997 年 9 巻 2 号 p. 253-260

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抄録

口蓋扁桃摘出術を施行し, 6ヵ月以上経過観察できたIgA腎症47例を対象に, 治療成績と予後予測因子を検討し, 次の結果をえた.
1. 扁摘後の最終観察時点での寛解率は, 尿蛋白61.7%, 尿潜血44.7%で, 尿蛋白・尿潜血ともに, 観察期間が長いほど低下傾向にあった.
2. 腎病理組織所見の軽症例は, 重症例よりも尿蛋白の寛解率が高かった.
3. 扁桃誘発試験陽1生例は, 陰性例よりも尿蛋白の寛解率が低かった.
4. IgA腎症の発症年齢, IgA腎症発症から扁摘までの期間, Ccrは, 尿蛋白寛解例と非寛解例の間で有意差を認めなかった.

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