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石垣島大浜海岸で観察されたクロツラヘラサギの採餌生態
小菅 丈治
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2011 年 27 巻 p. 19-30

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抄録
2009 年5 月~ 6 月,石垣島大浜海岸で2 羽のクロツラヘラサギPlatalea minor を観察した.このうち1 羽は左脚を怪我していたが,6 月7 日の渡去直前には回復していた.干潟が干出している間,主に水深10cm 程度の潮だまりを中心に採餌を継続した.採餌場所は,アナアオサが繁茂し干潟表面に黒変した還元層が露呈した場所に限られていた.糞からは多毛類の一種Ceratonereis sp. の大顎が多数見出された.Ceratonereis sp. は底質が黒変した還元層中にのみ出現した.琉球列島で冬に観察されることの多いクロツラヘラサギが,夏季に石垣島の礁池陸側の干潟で還元層に生息する多毛類を主に摂食しつつ1 ヶ月間を過ごし,1 羽は怪我から回復した後に渡去したと推定した.
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© 2011 公益財団法人 日本野鳥の会
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