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ドイツにおける風力発電所立地ゾーニングの取組み
畦地 啓太
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 31 巻 p. 53-66

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抄録

本稿は,風力発電所立地に関するゾーニングについて,欧米諸国,特にドイツの取組みについて報告した.まず,欧米諸国が運用しているゾーニングについて,策定を主導する行政主体の観点で多様なゾーニングが幅広い国で用いられていることを示した.次に,ドイツの陸上風力におけるゾーニングを事例として扱い,その取組みを,過剰な開発の抑制,および鳥類において不適切な場所への立地回避の2 点に着目して報告した.具体的には,ドイツでは風力発電の導入目標を達成するために必要な面積を算出した上で,ゾーニングにおいてその面積に合わせた適地を設定し,同時に適地外への立地を原則制限することによって過剰な開発を抑制していること,また,風力発電事業に脆弱な種を選定した上で,種毎にゾーニングで除外すべき営巣地や集団ねぐら等からの距離を設定し,それらをゾーニングに反映していることを述べた.

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© 2015 公益財団法人 日本野鳥の会
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