2015 年 31 巻 p. 31-52
2012 年に北海道根室市フレシマに風車15 基からなる風力発電施設建設が計画された.当地への立地は,オオワシ,オジロワシなど希少な鳥類に影響を与える可能性があったため,日本野鳥の会によるワシ類の飛翔状況調査などの調査が行なわれ,ワシ類の飛翔ポテンシャルマップ作成と衝突数予測が行なわれた.その結果に基づき,北海道知事や根室市長,北海道教育委員会教育長に計画変更を求めるよう要望が行なわれたほか,地域の利害関係者への働きかけが行なわれた.2014 年7 月に,事業者から計画中止が発表された.その際の経験を踏まえ,地域の自然保護団体が風力発電施設建設計画に対応する際に有益と考えられる指針をとりまとめた.