水利科学
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一般論文
中高生を対象とした森林の保水力に関する教育プログラムの開発
東原 貴志蔵治 光一郎井上 真理子大谷 忠荒木 祐二伊神 裕司渡邉 英二小西 伴尚
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2020 年 64 巻 1 号 p. 138-152

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抄録

中学生および高校生に森林の保水力について考察させることを目的とし, 2017年に専門高校の森林科学の授業,2018年に中学校の理科の授業の学習内容に対応した人工降雨実験の授業実践を行った。実験には蔵治・保屋野編(2014)が考案した,園芸用支柱と鉄製ボールプランタースタンド,シャワーノズルを取り付けた2 リットルペットボトルで構成されている簡易散水装置を用いた。これらは100円ショップで購入できるため,学校で用意しやすい。実験は高等学校の演習林と中学校の林地・草地及びグラウンド(裸地)で行われた。林地では,散水したほぼ全量が地面にしみこむが,散水を葉で遮り水滴を大きくすると地表面流が増加した。グラウンドでは,大きな地表面流が観察できた。これらの実験を通して,生徒は林地や裸地における地表面流と降雨との関係について考察することができた。

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© 2020 一般社団法人 日本治山治水協会
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